先日、私が会長を務めるISD個性心理学協会が主催する「マスターインストラクター講座」の講師を務めさせて頂きました。
東京・大阪・福岡を中心に、各地でそれぞ20回以上開催している講座ですが、この講座では毎回“不思議な現象”が起きます。
…講座初日の朝、各地から集合した年齢も性別も職業も異なる全くのアカの他人が、その日のお昼頃には何十年も前から親友だったかのように仲良くなってしまうのです。
そして夕方には、笑顔笑顔の集団が出来上がります。
「デジタル」とか「IT」などという言葉は既に過去の遺物になり、「現代はICTやVRの時代だ」などと言われてしまうと、私のようなアナログ人間には何のことやら全くわけがわからなくなります。
IT技術の進歩は大歓迎なのですが、「スマホ」や「ゲーム」に夢中になり、周囲で何が起ころうが我関せず…そんな人が増えていることは少しばかり気になります。
いろいろなコミュニケーションツールが誕生したせいもあるかもしれませんが、こうした技術革新が進むと生身の人間と関わることからどんどん遠ざかっている気がしてなりません。
煩わしい人間関係なんかスッパリ断ち切って、“個”で生きて行こうとする時代に突き進んでくのでしょうか?
…ところが豈図らんや、もう片方では、面白いことに「ふれあいを求めて」とか、「コミュニティを作ろう」、「チームが大切」…などと言う表現が目立つようになって来ていることに気がつきます。
昼どきのファミリーレストランに入ろうとすると、子供連れの若いママたちでごった返し、私の席は全く空いていません。
貸会議室のビル全体が、種々のコミュニティやセミナーなどの集まりでいつも満員御礼なんです。
本当は人のことが嫌いなんかじゃなかったんだ…本当はみんなと一緒にいたかったんじゃないのか…
『人』から遠ざかろうとする勢いが限界に達すると、今度は逆に『人』に近づこうとする方向にベクトルが変わることに気づきます。
やっぱり本当の意味で私たちの心が求めているもの…それは“思いやり”や“ぬくもり”、“ふれあい”ですよね。
「デジタル」の方向に振り切った振り子は、大きく「アナログ」に戻る…私の確信です。
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