『休日』。
私は、たまに取れる休日を大好きなサウナで過ごすことが多い。
自宅から車で15分ぐらいのところに、温泉の湧き出るいわゆる健康ランドがある。
温泉は露天と室内の両方が楽しめ、炭酸泉やミストサウナ、各種ジャグジーに寝湯やレストランもある本格的な施設である。
様々な楽しみ方のできる健康ランドだが、私が利用するのは、95℃の温度に保たれた「ドライ・サウナ」と、15℃が気持ちいい「水風呂」だけである。
ドライ・サウナに12分(「12」という数字が大切なのは前回のブログの通り」、水風呂に3分(「3」という数字が大切なのはいうまでもない)を、最低10回は往復する。
医療関係者に言わせると、「不健康極まりない入浴方法」ということになる(笑笑)。
昨日、久しぶりに休みが取れたので、その健康ランドのサウナで溜まった疲れを癒そうと出かけてみたのだが、そこでちょっとした事件が起きた。
いつも通り、ドライ・サウナと水風呂の往復を5回繰り返し、ジャグジーバスの湯舟の淵に腰を下ろしてボーッとしていた時である。
炭酸泉風呂の浴槽の向こう側に設置されているベンチに、70代後半から80歳ぐらいのおじいちゃんと、40代と思われるおじさんが並んで座っているのが見えた。
オヤジと息子かなぁなどと思いながらなんとなく眺めていたら、おじいちゃんの体がだんだん右に傾いて、おじさんの方に寄りかかっていくではないか?
息子と思しき男性(結果他人だった)が怪訝そうに立ち上がり、気持ち悪そうに隣のおじいちゃんを見下ろす形になったところで、私は異常を感じたのである。
私は10mほど離れたところにいたおじいちゃんに駆け寄り、声をかけたが応答がない。
意識を失っていたのである。
おでこ、首、胸を触ると異常に熱い。
寄りかかるものを失ったおじいちゃんを、とりあえずゆっくりベンチに寝かせ、再度声をかけてみた。
私の手を握らせ、握り返すように促すも反応がない。
あくびをし始めたところで、更衣室まで走り、そこにいたスタッフに、「老人が倒れたから救急車」を呼ぶよう指示し、介助の要請をした。
冷たいタオルで、おでこ・首の後ろ・脇の下を冷やし、何度も声をかけると、おーっ!かすかに応答あり!目がうっすらと開いたではないか!
その内、顔色も良くなってき始めたので、もう一度私の手を握るように促すと…
「若い女の子の手だったらしっかり握り返してやるんだけどなぁ..」だと(笑笑)
ああ、よかったあ!意識が戻ったぞ。
あとはスタッフと一緒に更衣室まで連れて行き、念のため病院で検査をしてもらうため、救急車に乗せたところで私の役割は終わった。
おじいちゃん、無事でなにより!
それはそうと、おじいちゃんの隣に座ってた40代のおっさんはいつの間にか姿が見えなくなっていた。
どこに行きやがった。お前が介抱しろよ!
そういえば、大勢いたお客の誰もが、そんな騒ぎを遠巻きに見ていただけだったなぁ…
おじいちゃんが無事でよかったぁと思ったのと、冷たい世の中の両方を感じた休日だった。
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